博士学位の取得について

はじめに

博士学位は、提出された学位申請論文を審査し、ふさわしい水準であると判定した場合に授与されます。
なお学位申請には、(1)本研究科の後期博士課程を修了していること(課程博士)、(2)修了していなくても研究業績があること(論文博士)、のいずれかの条件が必要です。
申請分野については「研究科紹介」のページや「科目紹介」「教員紹介」のページを参照してください。

博士学位論文執筆の概要(課程博士の場合)
1. 研究テーマと研究計画の作成

後期博士課程の標準修学期間は3年間です。3年間を有効に活かすために、(1)適切なテーマ、および(2)論文の全体構成、をできるだけ早期に設定、確定するとともに、(3)3年間を見通した長期計画、(4)1年間あるいは半年間という短期間における具体的課題の実施計画、をそれぞれ作成し、指導教官と十分に相談してください。研究の進展に伴って計画を変更する場合には指導教官と十分協議し、新たな計画を策定してください。

研究計画立案にあたっては、テーマや論文構成を熟慮することが必要です。研究論文にはいくつものタイプがあります。例えば以下のようなものが考えられますが、必ずしもこれらにこだわる必要はありません。

Ⅰ 発展型 特定課題・テーマについて深化させたり、発展させるもの
Ⅱ 複合型 関連する複数の課題・テーマの論文をまとめ、より広い視野を提示するもの
Ⅲ 総合型 特定課題・テーマについて、多様な観点から研究し、総合的知見を得るもの
Ⅳ 折衷型 Ⅰ~Ⅲを組み合わせたもの
Ⅴ 実務型 具体的提案等の妥当性、有効性を学術的に検証するもの
2. 博士学位論文執筆スケジュールと指導体制

一般的には以下のようなスケジュールで研究を進めます。指導教員と密接に日常的に連絡、相談してください。

1年次4月 指導教員決定/講義受講登録
研究計画の検討、短期計画の決定(長期計画は検討継続)
1年次9月 研究進捗状況の確認
1年次2月(翌年) 研究経過報告、スケジュールの確認と見直し
2年次4月 講義受講登録
2年次9月 研究進捗状況の確認
2年次2月(翌年) 研究経過報告
3年次4月 講義受講登録・博士学位論文執筆計画の策定
3年次9月 博士学位予備論文の提出(指導教員へ)・博士学位予備論文の審査(中間発表・指導・執筆許可)
3年次1月初旬(翌年) 博士学位論文提出・審査
3年次3月(翌年) 課程博士学位取得
審査基準

博士学位論文審査の基準はテーマや領域によって多少異なりますが、論文としてのまとまりや完結性、一貫性、完成度を確保していることが基本条件です。さらに、「独創性」「新規性」「有用性」「体系性」「論理性」「実証性」「論証性」「普遍性」「高度性」などの価値があることとそれらの水準の高さが基準となります。このような条件を備えた論文を完成する、あるいは完成が見込まれることがまず必要です。

そのうえで、学位請求論文を提出するまでに申請者が満たしておくべき条件は次の2点です。

1) (課程博士の場合)課程修了に必要な大学院科目の単位修得が見込めること
2) 高度の研究能力、およびその基礎となる学識を有することを示す客観的資料があること

2)については、論文審査のある学術誌に、第1著者として投稿論文が一定編数以上掲載されたか、または確実に掲載されることを評価の参考とします。ただし、これは最低限の目安であり、繰り返しになりますが、学位請求論文自体の完成度の高さと価値が前提条件となります。そのことを踏まえて、投稿論文の性質、内容や執筆経緯、学位請求論文への寄与度等を含めて総合的に評価されます。

論文審査手続き
課程博士の学位論文審査の手続き
手順 内容 作成書類
1.申請準備 論文題目提出 【申請者】論文内容説明資料
2.分野内事前審査 専門分野における、論文内容等のヒアリング・回覧 (同上資料)
3.申 請 学位論文・書類の提出(提出資格確認/指導教員の承認を得る) 注:提出期日に提出のこと 【申請者】学位申請書、学位申請論文、単位取得見込証明書、履歴書、論文目録、論文内容の要旨 等
4.審査委員会発足 提出者の適格性確認 論文受理の可否決定 審査委員選出 上記のうち、学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨
5.審 査 主査互選・運営方針 学位論文の審査及び試験 【事務室】審査実施の決済
6.中間報告 (審査の中途) 研究科教授会へ中間報告 公聴会日程報告 学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨
7.公聴会 【審査委員(主査)】公聴会の案内
8.最終報告 学位授与判定 研究科教授会へ最終報告 審査委員会最終報告に基づき審議 学位授与の可否投票・決定 学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨
【審査委員会】論文審査の結果の要旨、試験の結果の要旨
9.学長決裁 【事務室】決裁
10.学位授与 学位記授与(不授与通知) 学位記(通知書)
11.学報用要旨提出 【申請者】学報用論文要旨
【主査】学報用審査要旨
12.学位論文提出 【申請者】学位論文(製本)
論文博士の学位論文審査の手続き
手順 内容 作成書類
1.申請準備 意思表示 書類提出 【申請者】学位論文予備審査申請書、学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨、申請理由書
2.分野内事前審査 専門分野における、論文内容等のヒアリング・回覧 (上記書類)
3.予備審査委員会発足 予備審査委員選出 (上記書類)
4.予備審査委員会 学位申請適格性の調査 (上記書類)
5.申請適格性判定 報告に基づき申請者の適格性を審議、承認 【予備審査委員会】適格性についての報告書
6.申 請 学位申請論文・書類の提出(提出資格確認/紹介教員の承認を得る) 【申請者】学位申請書、学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨、学位審査手数料 等
7.審査委員会発足 提出者の適格性確認 論文受理の可否決定 審査委員選出 上記のうち、学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨
8.審 査 主査互選・運営方針 学位論文の審査及び試験 学力試験 【事務室】審査実施の決裁
9.中間報告 (審査の中途) 研究科教授会へ中間報告 公聴会日程報告 学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨
10.公聴会 【審査委員会(主査)】公聴会の案内
11.最終報告 学位授与判定 研究科教授会へ最終報告 審査委員会最終報告に基づき審議 学位授与の可否投票・決定 学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨
【審査委員会】論文審査の結果の要旨、試験の結果の要旨、学力の確認の結果の要旨
12.内 申 【事務室】決裁・内申書
13.学位授与 学位記授与(不授与通知) 学位記(通知書)
14.学報用要旨提出 【申請者】学報用論文要旨
【主査】学報用審査要旨
15.学位論文提出 【申請者】学位論文(製本)
退学後1年以内に博士の学位の授与を申請した場合
手順 内容 作成書類
1.申請準備 意思表示 書類提出 【申請者】学位論文予備審査申請書、学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨、(申請理由書)等
2.分野内事前審査 専門分野における、論文内容等のヒアリング・回覧 予備審査の省略について (上記書類)
3.申 請 学位論文・書類の提出(提出資格確認/紹介教員の承認を得る) 【申請者】学位申請書、学位論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨、(申請理由書)等
4.予備審査委員会の省略 審査委員会の発足 適格性報告(紹介教員) 提出者の適格性確認 論文受理の可否決定 審査委員選出 上記のうち、学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨
5.審 査 主査互選・運営方針 学位論文の審査及び試験 学力試験(省略することが出来る) 【事務室】審査実施の決裁
6.中間報告 (審査の中途) 研究科教授会へ中間報告 公聴会日程報告 学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨
7.公聴会 【審査委員会(主査)】公聴会の案内
8.最終報告 学位授与判定 研究科教授会へ最終報告 学力試験の省略について報告(学力試験を省略した場合) 審査委員会最終報告に基づき審議 学位授与の可否投票・決定 学位申請論文、履歴書、論文目録、論文内容の要旨
【審査委員会】論文審査の結果の要旨、試験の結果の要旨、学力確認の結果の要旨(省略した場合は不要)
9.内 申 【事務室】決裁・内申書
10.学位授与 学位記授与(不授与通知) 学位記(通知書)
11.学報用要旨提出 学位授与後1ヶ月以内 【申請者】学報用論文要旨
【主査】学報用審査要旨
12.学位論文提出 学位授与後1ヶ月以内 【申請者】学位論文(製本)